一般皮膚科
一般皮膚科
にきびは、90%の人が経験するため「青春のシンボル」と言われ生理現象として軽視されてきましたが、軽症でも瘢痕が残ったり、QOLの低下をきたす為、最近は早期の積極的な治療が保険適用されています。当院では、日本皮膚科学会の最新ガイドラインに基づき、各々の皮疹の状態・患者さんの皮膚の状態を見ながら、多くの治療法がある中から選択してその患者さんにとって最善の治療をしています。
にきびは、思春期以降に発症する顔面,胸背部の毛包脂腺系に起こる脂質代謝異常、角化異常、細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症疾患です。
まずにきびは、毛穴に脂が詰まることから始まります。皮膚が角化異常をおこし毛穴をふさぎ皮脂が外に出られなくなった状態になりますが、それを面ぼう(コメド)と言います。この状態で治療すると大部分は跡もなく治ります。しかし、そのまま放っておくと、にきび菌が増え炎症を起こし始めます。この段階でも色素沈着を残すことが多いです。そして更に炎症が進むと周囲に迄広がり、瘢痕を残す場合もあります。なるべく早くの受診をお勧めします。
商品名 | デイフェリンゲル |
ベピオゲル |
エピデユオゲル | デュアックゲル | ||
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一般名 | アダバレン0.1%ゲル | 過酸化ベンゾイル2.5%ゲル | アダバレン0.1%過酸化ベンゾイル2.5%配合ゲル | クリンダマイシン1%過酸化ベンゾイル3%配合ゲル | 外用抗菌薬 | 内服抗生物質 |
面ぼう 赤くない白にきび・黒にきび |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
急性炎症期 赤いにきび、痛いにきび、赤く盛り上がったにきび |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
寛解維持 良くなった状態を続ける |
〇 | 〇 | 〇 |
長年にわたり繰り返すにきび・しみになってしまった場合には、漢方薬(保険適用)やビタミン剤などの内服もしています。
又、洗顔指導・スキンケア・メイクアップの指導・医療機関限定の洗顔石鹼・化粧品も販売しています。
「にきび」ぐらいと思わず、一人で悩まず、気楽にご相談ください。高い自費治療を受ける前に先ずは保険適用の治療を受けてみてください。医療はドンドン進歩しています。
日本人の5人に1人が水虫にかかっています。足が痒いとすべて水虫と思い、市販の水虫薬を塗ってかえって悪くなってから受診される患者さんが多いです。
足がかゆい=水虫では、ありません。
別の病気(湿疹・かぶれ・掌蹠膿疱症・汗疱など)の場合もあります。まず水虫かなと思ったら、何も塗らず受診してください。最初の診断(顕微鏡検査)が大事です。
人の角質を栄養として生きるカビ(白癬菌)の感染です。 白癬菌の感染は、白癬菌のついた物・人・動物などとの直接接触で起こります。
たとえば
以上の機会があっても全ての人が感染するわけではありません。湿った足・足の指と指がくっついている・いつも革靴を履いている人などが感染しやすいです。
足の指の間の皮がめくれジュクジュクし、かゆいことが多いです。
足の裏や縁にできる小さな水ぶくれ(小水疱)。かゆいことが多いです。
足の裏が厚く硬くなり、ガサガサ・ひび割れができる。かゆくないことも多く、痛いこともありますので、水虫と思わない方が多いです。
爪が白く濁り、厚くなり、進行するとボロボロになります。かゆみは、ありませんが、一番重症の水虫です。皮膚の水虫の原因になる上内服治療や長期間の外用治療が必要です。
体に白癬菌が感染し、股(いんきんたむし)、顔や体(ぜにたむし)などに赤い独特の発疹ができ、かゆいです。
適切な塗り薬を毎日入浴後、指の間・足の裏全体に発疹のない所迄広く根気よく塗り続けます。
飲み薬をのむ方が早く治りますが、当院では、皮膚を柔らかくする薬と白癬菌を殺す薬を混ぜた院内処方薬を使い、かなりの方に効果が出ています。
市販の塗り薬では治りません。飲み薬が第一選択です。有効成分が血液によって爪まで運ばれて治していきます。
・1997年から使われている薬テルビナフィン塩酸塩です。
・1日1錠 6ヶ月内服
・歴史があるので副作用・経験などのデータがあります。
・1993年から使われているです。
・イトラコナゾ-ルです。
・パルス療法という「1日400mgを1週間内服、その後3週間休薬」これを1サイクルとして3サイクル繰り返します。
・2018年に発売されたホスラブコナゾールLリシンエタノール付加物です。
・1日1カプセル3ヶ月内服
これらのどの薬にも一緒に飲んではいけないくすりや飲まない方が良い薬がありますので、患者さんの現在飲んでおられる薬を全てお知らせください。
又、白癬菌を殺す薬を長期間飲んでいただきますので直前の血液検査データが必要です。
当院でも途中で副作用が出ていないかチェックの血液検査をさせていただきます。この様な薬ですので患者さんの安全のためジェネリック医薬品は、使用いたしません。
2014年初めて爪水虫に効果のある塗り薬ができました。肝臓疾患のある方や他に多くの薬を服用されている方にも爪水虫を治療することが出来ます。
ただ1年以上毎日夜一度塗り続けていく必要があります。又、度々の来院と途中での顕微鏡検査を受けていただかないと保険適用が認められません。
水虫は治ります。あきらめないでください。
ご家族に移さないようにすぐ治療を始めましょう。
水痘(みずぼうそう)と同じウイルスによって発症する病気です。全身の左右どちらかの神経に沿ったピリピリとした痛みや場所によっては腰痛・頭痛といった症状で始まり、数日後に皮膚に赤い発疹や水ぶくれが生じてきます。多くは、皮膚症状が治ると痛みも消失しますが、時には長期間に渡って痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」という後遺症が残る場合があります。
帯状疱疹は早く診断をつけ、早くに治療を開始することが大事です。
当院では、すぐその場で診断がつく検査キットもあり、その日から正しい診断の元治療を開始いたします。
又、最近は帯状疱疹予防のため、50歳以上の方にはワクチン接種のご用意もあります。
50歳以上の方は、ワクチンを接種することによって帯状疱疹を予防することができます。
子供の時に感染した水ぼうそうウイルスが、症状を出さない状態で体内に潜んでいます。大部分の人がこのウイルスに対する免疫を持っていますが、獲得した免疫は年齢とともに弱まり帯状疱疹にかかるリスクが高くなってきます。この免疫の強化を図るのがワクチンです。今、2種類のワクチンが使われていますが、比較検討した結果、当院では、シングリックス(不活化ワクチン)(グラクソスミスクライン製造)の筋注を実施しています。このワクチンは、50歳以上の方の予防効果は、10年間持続するという最新のデータで出ています。
1回目 | 22000円(税込) |
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2回目 | 22000円(税込) |
単純ヘルペスウイルスに感染することで発症します。口の周りにチクチクという違和感があった後小さい水ぶくれができるのが一番典型的です。昔は「熱の華」と言われ、放置されていましたが、今は症状が出現した時に早めに抗ウイルス薬を内服すれば、治りが早くなります。単純ヘルペスウイルスは一度感染すると神経節に潜伏し、ストレス・寝不足・疲労・日焼けなどを契機にウイルスが再活性します。又、口唇に限らず全身どこにでも(外陰部にも)発症し、直接接触により他の人にも移してしまいます。特に性器ヘルペスに対しては発症予防のための少量長期投与も保険適用で可能です。
普通は痛みや痒みを感じることなく円形や楕円形に頭の毛が抜ける病気です。
色々な説が言われてきましたが、最近では髪の毛根に対して異常な免疫反応が働いて、毛が抜けてしまいます。アトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患の方に起こりやすいと思われます。
他の原因で抜けている場合もありますので、まず毛根の状態を顕微鏡で調べます。
必要があれば、血液検査をします。
当院では、エキシマライト治療を予約制でしています。
ステロイド外用薬が第一選択です。
エキシマライトによる治療
ターゲット型UVB治療 エキシマライトーマイクロ(Excilite-μ、DEKA社製、イタリア)を導入しています。
今までの紫外線療法に比べて小型化し、ターゲット照射可能となり、照射時間も10秒前後と短くなりましたので、ちょっと時間が空いた時に治療が可能です。
保険適用になり、多くの患者さんが治療されましたが、かなりの効果がでています。
その他ステロイドの局所注射などもありますが、当院では副作用のことも考え行っていません。
いぼ(尋常性疣贅・青年性扁平疣贅)は、ヒトパピローマウイルスが小さな傷などから皮膚に感染して発症する病気です。手の指や足の裏によくできますが、体中どこにもでき、形も場所によって違うことが多いです。又、自分の中で他の場所に感染したり、家族にうつしてしまうこともありますので、早い段階での治療をお勧めします。
液体窒素を浸した綿棒で冷凍凝固する方法です。根気よく10日から2週間おきの治療が必要な場合が多いです。
電気メスで焼き切る方法です。液体窒素の様に周辺まで焼かないので当院では、首などの小さないぼに行っています。処置時の痛みを減らすために、事前に麻酔のテープを貼ってきていただきます。
余りに多くのいぼがある方、跡形を残したくない方、痛い治療は絶対に嫌な方には、根気よく治療させていただきます。
足の特定の場所に圧が繰り返し加わることにより生じる角質の肥厚のことです。スポーツ合わない靴・足の変形・歩き方の癖などにより殆どの方が同じ場所に繰り返します。痛くなければ放置してもよいものですが、痛みをこらえて歩いていると腰痛などの原因にもなります。当院では、安全に肥厚した角質を除去する方法を行っています。又、魚の目と思っていたものがいぼだったことも多くみられますので、早めの受診をお勧めいたします。
爪の色・形・表面の異常・痛みなどが色々な病気の結果として爪に現れます。
爪甲下出血・帯状色素沈着・悪性黒色腫・肺の病気・膠原病
爪甲剥離症・爪水虫・貧血
化膿性爪囲炎・巻き爪など
様々な原因があります。原因を探し、治療を行い、必要な場合は、爪切りを実施し爪の切り方もご指導いたします。
汗ジミが気になって、つり革を持てない、仕事や勉強に集中できない、着る服の色を考えてしまう方は多いと思いますが、最近は保険で治療ができるようになりました。
原発性腋窩多汗症の診断基準
①最初に症状が出るのが25歳以下であること
②対称性に発汗がみられること
③睡眠中は発汗が止まっていること
④1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
⑤家族歴がみられること
⑥それらによって日常生活に支障をきたすことがあること
①~⑥の内、2つ以上当てはまる場合に多汗症と診断されます。
当院では、日本で初めて保険適用の外用剤エクロックゲル5%を処方しています。
多汗症の原因となる汗はエクリン汗腺から出ますが、エクロックゲルの有効成分であるソフロニウム臭化物は、エクリン汗腺のムスカリン受容体サブタイプ3を介したコリン作動性反応を阻害し、発汗を抑制します。1日1回、両腋窩に薬を塗るだけです。但し、閉塞隅角緑内障・前立腺肥大で排尿障害のある方は使用できません。
2023年6月1日日本で初めての治療薬 アポハイドローション20%を処方しています。アポハイドローションの有効成分であるオキシプチニン塩酸塩は、エクロックゲルと同様にエクリン汗腺のムスカリン受容体に対して作用し、発汗を抑制します。
12歳以上の原発性手掌多汗症が対象ですが、1日1回就寝前に5プッシュを両手に対して塗るだけです。翌朝、水で洗い落します。但し、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大で排尿障害のある方は使用できません。
酒さとは、中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症疾患です。「赤ら顔」とも呼ばれる赤い顔・毛細血管の拡張が見られる軽い状態から、鼻に盛り上がりができ「鉄腕アトム」に出てくる「お茶の水博士」の鼻のようになる重症型まであります。
紫外線、外気温の急激な変化、刺激のある食べ物やアルコールの摂取などが知られています。
体質的要因が強く、様々な増悪因子がありますので長期間の治療が必要です。
メトロニダザール(ロゼックスゲル)
にきびのようなブツブツができた時、悪化時
テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン)短期間処方
皮膚の色素メラニンを生成する部位の損失を不規則に起こす後天性の病気です。
他にも白斑をきたす疾患がありますので、注意が必要です。
当院では、エキシマライトの治療をしています。
①ステロイド外用療法
②紫外線療法 ターゲット型UVB治療 エキシマライトーマイクロ(Excilite-μ、DEKA社製、イタリア)をしています。
1週間から2週間に1度ぐらいの間隔で根気よく治療していただければ、本当に信じられないほど色がついてきます。保険治療です。
乾癬とは、皮膚の細胞が、正常な皮膚と比べて10倍以上の速さで生まれ変わる病気です。人に感染することは、ありませんが、目立つ皮疹が出来なかなか完治するのが難しいのが特徴です。
症状ごとに、尋常性乾癬・滴状乾癬・乾癬性紅皮症・膿疱性乾癬・関節症性乾癬の5病型に分けられますが、大部分の方は、尋常性乾癬です。皮膚が赤くなり盛り上がる。大きなふけのようなものが剝がれ落ちる。頭・肘・膝などの機械的な刺激が加わりやすい部位にできやすいです。痒みのない場合もありありますが、掻いたりすると悪化します。
遺伝的な要因を基にして、生活習慣・メタボリックシンドローム(肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧症など)・ストレスによって発症すると言われています。
ビタミンD3外用薬とステロイド外用薬の2つを使います。
単独で使うだけでなく2つの成分を配合して1つになった塗り薬もあります。
ビタミンD3外用薬 | 表皮が剝がれ落ちたり、盛り上がるのを抑える |
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ステロイド外用薬 | 皮膚の赤みを抑える |
又、内服療法・生物学的製剤(注射・点滴)もあります。適切な病院へご紹介させていただきます。
原因物質が皮膚に触れることによって湿疹が生じることです。原因物質としては、化粧品・金属・植物・石鹼洗剤・湿布など身の回りにあるもの全てに可能性があります。接触した部分に一致して、かゆみ・赤み・小さな水ぶくれなどが出来ますが、分かりにくい場合もあります。
一番の治療は、原因物質との接触をさけることですので、その原因物質を探すためにパッチテストを行います。
治療は、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬の内服ですが、重症の場合はステロイド剤の内服が必要な場合もあります。
皮脂が減ることにより、水分を保ち皮膚を守る役割をするバリア機能が低下して発症します。
加齢・冷暖房の過度の利用・体の洗いすぎ・アトピー素因など
皮膚の表面カサカサ・かゆみ
入浴後すぐ洗面所で保湿剤塗布(ローション・乳液様・クリーム・ローションスプレー・泡状スプレーなど)色々な形状のものがあります。
ボデーシャンプーも乾燥しないものを使用します。ステロイド剤含有保湿剤(院内処方)炎症が強く、かゆみのある部分に使います。洗い方・石鹼を変えて、入浴後に保湿剤を塗るだけで長年苦しんでいたかゆみから解放された方も沢山いらっしゃいます。
やけど(熱傷・火傷) 皮膚に高温の液体(スープ・お湯・コーヒーなど)、炎、紫外線や化学物質などに触れることにより赤み・水ぶくれなどを生じ、痛みを伴います。
但しカイロなどで低温長時間の接触により生じたやけどは、意外と深くまでダメージがあり瘢痕を残したりする場合もあります。
まず氷水に患部をつけて痛みが引くまで冷やしてください。(慌てて薬を塗る必要はありません。)
服の下をやけどした場合は脱がせないでその上から冷やしてください。
直後から1日後ぐらいに水ぶくれが出来ることがありますが、つぶさないようにしてください。自分でつぶすと細菌感染して傷が悪化する可能性が高いです。
特に糖尿病などの自己免疫疾患を患っているかたは、細菌感染しやすいですのでなるべく早く、冷やしながら受診してください。